「情報を活かす力(池上彰)」を読んだ
こんにちは、似非ITエンジニアのLVPです。
仕事柄新しいことを調査する機会が多いです。
ただ最近は色んな情報を目にする機会があっても
上手に整理できなかったり使えなかったりします。
ちょうどそんな状況にぴったりそうな本を読んだので、
自分の備忘録がてら内容をまとめてみました。
目次
- 目次
- 序章 情報活用力をいかに高めるか
- 第1章 私の情報収集術
- 第2章 私の取材・インタビュー術
- 第3章 私の情報整理術
- 第4章 私の読書術
- 第5章 私のニュースの読み解き方
- 第6章 私の情報発信術
- 感想・まとめ
序章 情報活用力をいかに高めるか
インターネットで調べればわかるが、本当に理解したかどうかは実はあやしい。
ではどのように情報を収集すればいいか。
答えは「詳しくない人に説明をする(アウトプット)を意識してインプットすること」
また、自分の考えだけでなく反対意見についても耳を傾けること。
そして聞き手が何を知りたいのか、何がわからないのか、を想像して説明をする。
そのための「考える時間」を確保する。
得られた情報からの疑問点は自分で調べてみる。
第1章 私の情報収集術
ニュースの放映時間帯、新聞の種類や発行地域によって
得られる情報の種類は異なることに注意する。
新聞社や新聞記者がどの立場で書いているか。
ニュースや新聞の特徴
メディア媒体 | 特徴 |
---|---|
朝のニュース | 時差の関係で海外ニュースが多い |
夕方以降のニュース | トピックの解説、生活に関わる(食など)のニュース |
朝日 | 書籍情報に強い。購読者に読者層が多い |
読売 | 世界情勢に強い |
日経 | 経済に強い、経営者目線 |
全国紙 | (全国ではなく)首都圏に強い |
地方紙 | 地方ニュース、通信社の社説。地方の消費者目線 |
夕刊 | 海外(アメリカ)の最新ニュース |
紙面の見出しにさっと目を通す。
面白い記事があれば署名記者の名前を覚える。
紙面一番下のコラムはその新聞社の筆の立つ記者が書いている。
問題意識を持って記事を読む。キーワードは何か?を気にすると情報が集まりやすい。
簡潔に物事を他者に伝えるための訓練は、新聞記事を短くすること。
「ニュースの疑問ノート」をつける。
トピックについて「だからなんなの?」と考えてみる。
Wikipediaは情報の入り口として利用する。脚注リストで出典をチェックする。
Google検索時に""ダブルクォーテーションで囲むと文章が区切られずに検索される。
インターネットの利点は一次情報に簡単にアクセスできるようになったこと。
第2章 私の取材・インタビュー術
謙虚な姿勢で仮説を自信なさげに聞いてみる。御用聞きになってはいけない。
人は自分の立場になって考えてくれるときに信頼を感じる。
みんなが聞きたいことは何か、を意識する。
第3章 私の情報整理術
新聞のスクラップをすれば「自分の興味関心」がわかり、問題意識が芽生える。
メモはA4不用紙を四つ折りでクリップに止めたものを持ち歩く。
デジタルメモは発想が広がらないため使わない。
第4章 私の読書術
不明な言葉が出てきても理解ができるよう、基礎知識と歴史を学んでおく。
そのために数冊の本を読んで下地をつける。
ジャンルの「定本」(色んな本が参考にしている本)を見つける。
底本は難しい場合が多いので入門書で全体の概要をつかむ。
好きな作家と同じように好きな書評家を探す。
「○月○日 何々を読んだ」と一行だけ記録する読書記録ノートをつける。
本の感想は「この部分をどのように説明しようか?」
と考えると脳への定着度もあがる。
本を速く読むにはどんどん本を読むこと。
相手にイメージを喚起させるためにはどのような表現がいいか、は
小説を読んで鍛えることができる。
翌日の予定から隙間の時間を考えて本を持っていく。読書の時間は作れる。
第5章 私のニュースの読み解き方
同じニュースでも取り上げる新聞によって書き方が変わる。
映像は全体の一部を強調して取り上げたものであり、誤解をする可能性がある。
内容を読み解く、情報を選択するメディア・リテラシーの力が大切。
「事実」なのか「解釈」なのか、誰が確認したものかを明確にする。
「どのように報告書をまとめるか」を意識しながら情報を集めると
情報の確度が判断できる。
政府首脳は内閣官房長官、自民党首脳は自民党幹事長、
財務省首脳は財務大臣か事務次官であることが多い。
消息筋によると、は書いている本人である可能性が高い。
United Nationsは戦時中の連合国、現在は国際連合、
翻訳で意図的に情報を操作することがある。
この言葉は英語では何と表現するのか、ニュアンスが異なってくる。
統計データの見方に気をつける。
例えば、失業率は何を表しているか。
働いておらず職を探していない人はカウントしていない。
第6章 私の情報発信術
報告書を書く前に報告内容を頭の中で組み立てる。
音読をすると文章の長さやテンポに気がつく。短ければ読みやすい。
書いた文章は寝かせた上で一読者目線で確認をする。
「ひとりツッコミ」をしながら読んでみる。
「だからなんだ?」「よくわからない」などなど
接続詞が多い文は幼稚に見える。
「が」は逆説の時だけ使う。順接の「が」は使わない。
ゆるやかな演繹法でストーリーを組み立てる。
演繹法:あらかじめ考えた仮説に従って内容をまとめる
帰納法:調査した内容からストーリーを組み立てる
図解をすると考え方を整理できる。
意味が明確ではない矢印は使うべきではない。(時系列か論理か因果か不明)
誰に伝えようとしているのか、を明確にする。
そもそものコンセプトは何か?、誰を対象にしているのか?
まずはしっかり自分が理解をするために、数字をわかりやすいものに変えてみる。
得た情報をどう咀嚼したらいいのか、そこから何を考えたらいいのか、
1日のうち少しでも考える時間を確保することが重要。
感想・まとめ
新聞の読み方については、現在電子版しか読んでいないため参考にはならなかったが、
何に注目すればいいか、何に気をつければいいか、が
わかっただけでも読む際の意識が変わる。
様々な新聞を読み比べると面白いのは理解できるが、
経済的物理的な理由と必要性の面で却下。
全体的にメディアの人間向けにはかなりタメになる内容だと感じる。
ビジネスマンが読む際にも参考にできることは多い。
個人的に大事だと感じたことは、
- 情報を取捨選択する判断力
- 書き手の主張(賛成か反対か、何をメインにしているか)を推理する
- (誰にどんな方法で)アウトプットすることを意識しながら情報を集める
- まずは文章の構成を考える(起承転結や報告書の体裁)
情報の収集・判断・整理、文章の作成、全てにおいて
常にアウトプットを意識するということに重きを置いている。
自分に足りない部分を補えるような内容が多かったので、
読んでいて気づきや発見が多かった。
ノートとまでは行かないが、読書記録と疑問ノートのようなものは作ってみたい。
また忘れた頃に再読してみようと思う。